![]() KOSS CC_01。 ・・・アンダーバーが入ってる品名って珍しいなあ そしてCC_01の目玉(?)である珍妙なるイヤチップの調整機構(失礼)について。 ![]() 後ろのダイヤルを(ちょうど1回転回る)時計回りにまわすと先端が閉じ、逆で開きます。 なんか赤くてウインナーのタコっぽいです。 「チップを自分の耳に合う太さにして使ってね」・・ということなのでしょうが、 結局チップの先端部付近しか太さが変わらず、正直なところあまりフィット感は増さないように感じました。 これなら、稼動部無しで普通にL、M、Sサイズの「コンプライ」のようなチップを付ければ良かった気がします。 (上記のような機構のため、イヤチップのサイズは1種類しかない。予備は4個ついてますが・・・全部同じっす。) そして先端部の稼動部がプラスチック製で、いかにも壊れ易そうに見えるのもちょっと減点かも。 加えて、チップが少し大きめな気もします。耳の穴が小さめな人は、事前に試着しておいた方が良いかも。 ・・・調整機構については以上としまして、音方面はどーでしょうか。 KOSSのイヤホンといえば低音番長という印象を真っ先に持つ俺ですが、このCC_01も期待を裏切らない感じ。 【図1.KOSS CC_01 周波数特性】 ![]() ドンシャリすね。 3kHz〜7kHzの量が多く、いわゆるサ行がキツそうな予感のグラフとなっています。(俺耳でも実際相当キツく感じます) そしてハイエンドの伸びはイマイチ感。 【図2.ER-4S vs CC_001】 ![]() やっぱりドンシャリ。 「BAとダイナミックで比較すんな!このXXXX野郎!」 ・・・って言われればゴメンナサイですが、ER-4Sが今のところ俺リファレンスなので許してくだせい。 しかしながら、低音については、自分の場合は、上の【図1】程の低音は出ずに、 ローエンドともなるとむしろ弱弱しい感じに聞こえます。 この理由として、コーン状のイヤチップはそれなりに密閉性が確保しづらいため、 こんなに理想的な状態でフィットしていないためと思われ。 密閉性が落ちるとどうなるか?という点について、「爪楊枝の先端(最も太い部分で約1.8mmの太さのもの)」を イヤチップとカプラーの間に差し込んでザックリ試してみたのが下のグラフ。 (爪楊枝の周辺に隙間が出来て密閉性が落ちる。) 【図3.密閉性を落とした際の低音の音圧低下】 ![]() このように装着具合によって、20〜30dBは簡単に低音が落ちてしますね。 自分の場合は、おそらくこの2本の線の中間程度の低音の量になっているのではないかと感じます。 ことほどさようにカナル型のイヤホンにとって、イヤチップがきちんと耳にフィットすることは音質に致命的な影響があるわけでございます。 【図4.2次〜4次 高調波ひずみ】 ![]() いずれも20〜20kHzで-50dB程であり、比較的良好と思われ。 【図5.CSD】 ![]() CSDもそれ程悪いようには見えませぬ。 【図6.群遅延時間】 ![]() 20Hzで7.3msec。100Hz以上で1msec未満であり問題なし。(ちゃんと測れていれば、ですけれど。) つかオーバーヘッドなんかでは振動板が重いものはなんとなく群遅延が悪いのもあるような気もしますが イヤホンでメチャメチャ群遅延時間が大きいってのあるんでしょうか・・・マルチWayはどうかしらん?うーん・・・ なお群遅延時間というのはちょっとむつかしい概念ですけれど、 大まかには位相の遅れ/進みに関する周波数依存性を、時間で表したものであります。全帯域でゼロなのが理想的です。 群遅延が悪いと、低音が遅く到達するように聞こえたり、方形波のような急峻な立ち上がりがある波形(広いスペクトルの幅を持つ波形)が 崩れてしまうという現象がおきえます。 ちょっと注意なのは、通常の位相のグラフでは、プラス(上)は位相が「進んでいる」ことを表すのですが、 群遅延時間のグラフについては、プラス(上)方向に行くほどその周波数において時間が「遅れている」ことを表しています。 ちょっと紛らわしいのでありんす。 【図7.インピーダンス】 ![]() こちらは電気的な応答です。(マイクは使わず、イヤホンのプラグにプローブを当てて測定しています。) インピーダンスはカタログ表記のとおり16Ωで、ほとんどフラットな様子。 (細かく見ると、位相の乱れに合わせるように3kHz弱、5kHz超、7kHz超にピークが3つ存在する。f0は3kHzなのか5kHzなのか自分には判然としません。)
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