インピーダンスと位相祭り

インピーダンスと位相祭り
2008/12/28作成

周波数特性は結構測ってくれる方がいるのですけれど、
地味（？）なインピーダンス特性や位相特性はあんまり測ってあられる方もいない様子なので、
夜中にうまい棒を握り締めつつ測定実施。

「で？　そいつぁ一体何の役に立つんだい？」

という疑問は当然であります。

別に知らなくても全然無問題。

無問題ですけれども、

・DAPやアンプの相性(ダンピングファクターの影響など）
・アッテネータをカマした際の効果
・マルチドライバ機種のネットワークの設計
・コレとソレはなんだか特性そっくりだし以下略
・
・
などなど。
グラフを見つつニヤニヤ妄想してしまう、特にそんなダメ人間な方にどうぞ。

【測定方法やグラフの見方について】

測定方法：
PC+CLIOwin（LogChirpAnalysis）
※抵抗660Ωを直列につないだ、定電流駆動法に近い測定方法・・・らしいです。
　他に、逆に十分に小さい抵抗値の純抵抗を直列に接続して測定する、定電圧駆動法という測定方法もあり、
　むしろ定電圧駆動法の方が馴染みある方が多いかも。どちらの方式も一長一短あり。世の中うまく行きませんね。
※イヤホンは装着していない状態で測定しています。（・・・・だってうるさいんだもの）
　よって、もしかしたら共振周波数はコンプライアンス変動などの要因で、装着時よりも若干低め、かつQ値も高めに出る傾向はあるかも。
　イヤホンは実際に数本、装着時／非装着時双方で測定した結果では殆ど差がありませんでしたので、そう甚だしい差ではないと思います。
　（大型の密閉型ヘッドホンだとシビアなんですよこれが・・。）

グラフの見方：
・黄色い線がインピーダンス（単位ohm）
・白い線が位相（単位Deg）

インピーダンスがフラットな方が、出力インピーダンスの大きめな（ダンピングファクタの小さい）アンプによる周波数特性の変動を受けにくいので、一般的には良い傾向だと思われます。
フラットでない機種でも、アッテネータを追加するなどしてインピーダンス特性を利用した一種のイコライジングを楽しむ向きもおられましょう。

位相特性も周波数依存性がなく、フラットであることが理想です。
位相特性を周波数微分したものが群遅延なので、位相特性に大きな凹凸のあるイヤホンは群遅延の点で不利と言えると思われます。
（群遅延特性が悪いと、矩形波のような多くの周波数成分を含んだ波形を再生した際に波形が崩れる。）
マルチドライバでネットワークのある機種は、（シングルドライバの機種と比べれば）原理的に位相特性がどうしても悪くなります。そして実測した結果もそのとおりになっています。
（完璧に設計・実装された、１次のフィルタを使ったネットワークでは、「悪くはならない」かもしれませんけれど）
その代償として周波数応答でローエンド、ハイエンドの伸びを得ていると言えましょう。
このあたりを上手い按配にバランスを取ることが、ネットワーク設計での腕の見せ所なのかも。

メーカー

型式

インピーダンス特性と位相特性グラフ

AKG

K324